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女児祝い着の文様のいわれ(11)

きもの、特に礼装のきものは、寿ぎの心を文様に託します。わたやではお宮参りの祝着をお買い上げいただいたお客様に祝着に描かれた文様のいわれを解説してお渡ししております。

阿部心咲様.jpg
くらは「さ=米」「くら=蔵」の意味があり、人々に愛される花であると同時に稲作の始まりを意味している日本人にとって最も大切な花です。本当の花は儚いものですが、きものに描かれた花は、枯れることなく永遠の命を持ちます。また、鞠は古来より女児の魔よけ厄除けとして贈られる慣わしがあります。意味は、七色の糸は魔よけ。また丸いその形は幸せが円満にころころとはずみながらころがっていつまでも続くようにという願いが込められています。現実にはありえない現象も、描かれた意匠の中では起こり得ます。美智子皇后が皇室に嫁がれる際にお母様が「鞠の糸が繋がっているように、平民から皇族になっても親子の縁は途切れることがない」と願われて鞠の図柄の着物を誂えられた話は有名です。また鼓は、楽曲を奏する時はリーダーの役割をになう楽器です。折鶴は千年生きるという鶴の化身で、羽ばたくことがないかわりに、永遠の命を持ちます。随所に配置された花の丸は梅で、強い意志と清新さをあらわしています。また、地色に使われている、白と黒は着物の世界では特別な色で自由や独自性を表しています。
この祝着には、お子様が、咲き誇る桜のように誰からも愛され、円満に健やかに成長され、将来は、鼓に象徴されるように人の上に立つ女性になられ、自由に、個性的に成長ほしいという願いが込められています。
心咲様の健やかなご成長とご多幸を心より祈念申し上げております。
                                                      

                           わたや和服文化研究室

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