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女児祝い着の文様のいわれ(18)

中村早紀さま.jpgのサムネール画像
神前に供える鮑熨斗は「のし」が「延し」に通じることから延命や幸せが長く続くようにとの願いを込めた文様として大切にされて来ました。特にこの祝い着の「束ね熨斗文様」は元禄時代、婦女子の祝いの着物の代表的な図柄として有名です。たくさんの人からお祝いとしてもらった熨斗がなくならないように束ねてある様子を伸びのあるタッチで描いています。熨斗はたくさんあるので人にも分けて上げられる度量の広さも大切です。また全体にちりばめられた絞りは,水を表しています。人間にとって一番大切な水と幸せを兼ね備えた祝い着です。背中心に刺繍された鞠は、古来より女児の魔よけ厄除けとして贈られる慣わしがあります。その意味は七色の糸は魔よけ。また丸いその形は、幸せが円満にころころとはずみながらころがっていつまでも続くようにとの願いが込められています。現実にはありえない現象も、描かれた意匠の中では起こり得ます。美智子皇后が皇室に嫁がれる際にお母さまが「鞠の糸が繋がっているように、平民から皇族になっても親子の縁は途切れることはない。」と願われて鞠の図柄のきものを誂えられた話は有名です。
絞りと刺繍という贅沢な技法を駆使したこの祝着には、お子様が周囲の人々から祝福されながらも、常に感謝と奉仕の気持ちを忘れずに努力しなさいという願いが込められています。早紀様の健やかなご成長を心より祈念いたしております。                                                                              

                                                                                                    わたや和服文化研究室


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